2020.12.28

創業者の精神~謙虚な心~

稲穂

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざがあります。

稲の実が熟すほど、穂が垂れ下がるように、人間も学問や徳行が深まるにつれ、その人柄や行為がかえって謙虚になることを意味しています。

創業社長はまさに、このことわざ通りの姿勢の持ち主でした。

お客様でも取引会社でも、地域の人でも、現場の社員さんに接するときも、相手を問わず自らが「ありがとう」と言って歩み寄り、頭を下げ接する姿が目に浮かびます。

私がある大手企業を担当していた時のことです。

1から10まで大変に注文に厳しく、時としては無理難題と思われるような要求もされるお客様がいました。

私たちはその企業様の施設管理のパートナー的な存在であると認識していましたが、お客様からは「いち業者」という立ち位置で捉えられていました。

そのことを当時たまたま創業社長にポロリとこぼしたことがあった時、田部井創業社長は目をむき出し、「(私たちは)業者だろ」と一言、大変に厳しく叱られたのを覚えています。

私自身が、お客様に誠心誠意サポートしようとする姿勢、その担当者の立場や責任を全く認識せずにいた姿勢を見透かされました。

傲慢な姿勢や自己中心的な心、物事の本質を捉えない浅はかな考え方などが表に現れるのは、自らの「謙虚さ」が足りないからだと学ばせていただきました。

 

私たちは常に多くの方々と共に仕事をさせていただいています。その中には、自分や会社と考え方が全く合わない方々もいると思います。

しかし、どんな状況であろうと相手の話を理解するように努める、相手の立場を考えて物事を考える。また相手が誰であろうと態度を変えることなく、常に謙虚さをもって対応する。

このような姿勢を創業者の「謙虚な心」から学んでいきたいと思います。